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一般小児科疾患

一般小児科疾患について

一般小児科疾患について当院では、急性疾患(発熱、咳、鼻水、嘔吐、下痢、発疹など)から慢性疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息など)、頑固な症状(長引く咳、長引く下痢・便秘など)、皮膚・鼻・耳の症状など、お子さんによくみられる症状や疾患について幅広く診察を行なっています。また、予防接種や乳幼児健診、成長・発達、心身の健康に関する不安や疑問、子育てに関する相談などに対しても、小児科専門医として適切に対応致します。
診療の結果、より詳細な検査や入院の必要性があると判断した場合には、高度医療機関を紹介致します。また、眼科・耳鼻咽喉科・外科など、専門性の高い診察が必要と判断した場合にも、適切な医療機関に受診していただけるよう紹介致します。
当院は、地域のお子さんの「かかりつけ医」としての責任感をもって質の高い医療を提供するとともに、子育てや、ご家族を含めた心身のウェルビーイングをサポートします。どのような些細なことでも結構です。お気軽にご相談ください。


一般小児科でよくある症状

など


頻度の多い一般小児科疾患


など

発熱

発熱発熱は子どもで最も多い訴えの一つです。安静時の腋窩音で37.5℃以上(特に38℃以上)とされています。夜間・休日に出現した場合、通常は緊急で受診する必要はありません。ただし、重篤な細菌感染症が潜んでいる可能性もあります。児の状態や原因について経時的に正しく評価していく必要がありますので、受診できるときに早めに受診しておくことが推奨されます。ただし、生後3か月未満の乳児が発熱した場合には、すぐに医療機関を受診してください。生後3か月以上の場合にも、活気に乏しく呼びかけへの反応が悪い、刺激がないとすぐに眠ってしまう、咳や呼吸が苦しそう、顔色が悪い、水分がとれていない、おしっこがしばらく出ていない、嘔吐や激しい下痢が続いている、発熱が長引いている、といった場合はすぐに受診しましょう。特に、けいれんが5分以上続いている、意識や反応がおかしい、といった場合は救急車を呼んでください。

熱性けいれん

乳幼児期(生後半年から5歳)に起こるけいれんの原因で最も多い疾患です。発熱の出始め(多くは24時間以内)に、全身を硬直、ガクガクさせたりしながら、白目をむいたり泡をふたりします。けいれんの症状が目立たず、ぼーっと反応が乏しくなるだけのこともあります。すぐに命に関わることはなく、通常は1~2分以内に自然に止まりますので、焦って救急車を呼ぶ前に、児の安全を確保して、意識や状態が回復するまでしっかり観察してください。 しかし、けいれんが5分たっても止まらない場合には、すぐに救急車を呼びましょう。また、けいれんが一旦治まっても、意識や反応が回復しない場合や様子がおかしい場合、けいれんを繰り返す場合には救急受診が必要です。
熱性けいれんは怖いと思いますが、短時間で止まって状態が回復する場合、夜間や休日であれば通常は緊急受診の必要はありません。ただしその場合にも、けいれんや発熱の原因評価や、お子さんの状態の確認のため、早めに受診をしてください。余裕があれば、けいれんの様子を動画撮影しておくと、医師がその症状の判断に役立ちます。

熱性けいれん

頭痛

お子さんが頭痛を訴える機会は非常に多いです。何かの脳や全身の病気によって発生する二次性頭痛と、原因となる明確な基礎疾患がなく、体質や環境要因によって発生する一次性頭痛に大別されます。子どもの二次性頭痛は、感染症による付随するものが多く、一次性頭痛は片頭痛や緊張型頭痛が代表的です。
頭痛を起こす基礎疾患や既往歴がなく、体の動きや全身状態、意識・精神状態などが問題ない場合は、概ね緊急性はありません。しかし、激しい頭痛や、頭をぶつけた後に起きる強い頭痛、症状が時間とともに徐々に悪化する頭痛、ふらつきや意識障害を伴う頭痛、激しい嘔吐を伴う頭痛が続く場合などには、脳に何らかの緊急的な問題が潜んでいる可能性がありますので、救急受診をしてください。これらの問題がなく、自然軽快する場合にも、特に反復する場合や生活に支障をきたしている場合には、必ず早めに受診して、原因・診断の評価や対応を相談してください。頭痛は医療機関を受診せず、自己判断や我慢して生活に支障をきたしていることが多い疾患の一つです。お子さんの場合、学習の機会や意欲の喪失につながり、頭痛が慢性化し、生活の質に大きな影響を与えうることをご理解ください。

子どもの頭痛

てんかん

何らかの原因があり、多くの脳神経細胞が同時に過活動を起すことで生ずる一時的な症状や徴候のことを「てんかん発作」と呼びます。熱性けいれんや、脳や全身の急性疾患で起こすことも多いですが、これらは「てんかん」ではありません。てんかんとは、このような明確な誘因がなくとも、日常生活の中でてんかん発作を繰り返し起こしてしまう、あるいは起こしてしまうリスクのある慢性的な脳の疾患のことを指します。てんかん発作による身体の安全の問題のみならず、てんかんである状態や原因自体が脳の発達や学習に影響したり、生活のさまざまな負担を引き起こしてしまうことも大きな問題です。発作の症状も全身のけいれんのみでなく、非常に多彩ですので、誤診も少なくありません。したがって、てんかんであるかどうか、てんかんの細かい診断は何か、原因は何か、適切な治療は何かなど含め、できるだけ早い時期から専門医による診察を開始することが欠かせません。当院はてんかんを一つのメインターゲットとしておりますので、気になる症状がある場合にはお気軽にご相談ください。

てんかんとその治療

体重増加不良、低身長

小児の最も重要な現象の一つが成長です。成長・発育に問題がある場合、栄養不足のみならず、成長を障害してしまう身体疾患がないか、栄養摂取を阻害してしまうような身体疾患や認知・行動・発達・心理面の問題がないか、栄養摂取内容に問題がないか、(該当する場合)内服薬の影響はないか、など多面的に評価することが必要です。また、肥満ややせの問題も大きな社会問題となっています 。就学前までは乳幼児健診を継続的に受診し、その後は学校健診での身長・体重の値を毎回確認していってください。成長・発育の問題は後回しにせず、早期の発見・治療・予防が不可欠です。日本小児内分泌学会ホームページより標準身長・体重曲線や肥満度判定曲線をダウンロードできますので(http://jspe.umin.jp/medical/chart_dl.html )、数値をプロットして-2.0SDを下回る、+2.0SDを上回る、あるいはその間でも、ラインからのズレが広がってくる場合、その他、気になることがある場合には早めにご相談ください。その上で、より専門的な診察や検査が必要と判断される場合には適切な専門医療機関をご紹介します。

嘔吐

嘔吐はお子さんに非常によくみられる症状の一つで、急性胃腸炎(胃腸へのウイルス等の感染症)の初期症状としてみられる頻度が高いですが、食中毒、腸炎、便秘、炎症性腸疾患などのさまざまな消化器疾患、周期性嘔吐症や片頭痛、肺炎や喘息といった呼吸器疾患、食物アレルギー、てんかんやその他の脳の疾患、心身症や神経発達症など、原因は多岐に及びます。急性胃腸炎の場合、元気だったお子さんが突然嘔吐を繰り返すため驚くかもしれませんが、最初は無理に水分をとらせようとせず、しばらくおなかを休めることが大切です。その上で落ち着いたらゆっくりと一口ずつ水分摂取を再開します。しかし、嘔吐が数時間以上たっても反復する場合には徐々に脱水が進んできますので、適切な状態評価の上、対応を検討する必要があります。特に長時間続いて活気や反応が弱くなってきたり眠りがちになる場合には、低血糖や脱水の評価を行い、点滴による水分補給が必要となることもあります。また、嘔吐以外に発熱や激しい下痢がある、腹痛が続く、頭痛や意識状態が悪いなど、他の症状を伴う場合にも早めに受診をしてください。元気であっても嘔吐を長期に反復する場合は状態評価や原因精査が必要です。どのような場合でもお気軽にご相談ください。

腹痛

腹痛はお子さんに非常によくみられる症状の一つです。胃腸炎、食中毒、腸炎、盲腸(急性虫垂炎)、便秘、炎症性腸疾患などのさまざまな消化器疾患で生ずる他、風邪などの体調不良、食物アレルギー、尿路感染症、呼吸器疾患、起立性調節障害や心身症など、消化器以外の疾患に伴うことも多いです。特に腹痛が持続したり徐々に強くなる場合、嘔吐や発熱などの症状や体調不良を伴う場合などには、早めに適切な評価・治療を要することがあります。軽く我慢できる腹痛でもよく繰り返す場合には、状態評価や原因精査が必要です。どのような場合でもお気軽にご相談ください。

下痢

下痢もお子さんによくみられる症状の一つです。胃腸炎や下痢症といったウイルス感染症、食中毒のほか、乳糖不耐症、食物たんぱく誘発胃腸症(消化管アレルギー)、炎症性腸疾患、吸収不良、抗生剤をはじめとした薬剤性要因、過敏性腸症候群、その他、さまざまな消化管以外の疾患に伴う場合もあります。元気だったお子さんが突然下痢を発症した場合、機嫌がよく水分などの経口摂取状況に問題がない場合には、緊急受診の必要性は高くありませんが、来院できる時に一度ご相談ください。一方、激しい下痢、発熱や腹痛・血便などを伴う場合、元気がない場合、水分などの摂取困難な状況が長引く場合には早めの受診が必要です。下痢は性状や色なども重要ですので、来院時にはスマートフォンで撮影した便の写真があればご持参ください。

血便・下血

血が混ざった便、肛門からの出血のことです。血液の色は赤い鮮血(肛門付近の出血)、黒いタール便(胃や十二指腸など、上部消化管からの出血)、その中間など、出血部位や原因、消化管内の環境で変わります。発熱や腹痛・激しい下痢などを伴う場合(細菌性腸炎など)や、乳児期〜幼児期早期に腹痛を短い間隔で繰り返し(間欠的腹痛)、新生児期に黒色のタール便がでる場合(新生児メレナなど)など、早めにご相談ください。特に、嘔吐や粘液の混ざったイチゴジャムのような血便(粘血便)がある場合は腸重積が疑われ、緊急処置が必要となります。その他、新生児から乳児期に人工乳などで血便が続く場合は食物たんぱく誘発胃腸症(消化管アレルギー)、児が元気で少量の血液が便に付着する程度であれば緊急性は乏しいですが便秘による硬い便で裂肛を起こしている可能性も考慮されます。いずれの状況でもお気軽にご相談ください。なお、血便は性状や色などが重要ですので、来院時にはスマートフォンで撮影した便の写真があればご持参ください。

夜尿症

夜尿症とはおねしょのことです。夜尿は幼少児であれば生理的で問題なく、年齢とともになくなってきます。なくなる時期には個人差があります。一方、「5歳以上で月1回以上の夜尿が3か月以上続いてみられる」場合を夜尿症といい、受診の目安となります。該当する場合は様子をみるのではなく、是非早めにご相談ください。夜尿の程度やこれまでの経緯、生活習慣、便秘や昼間のおもらしの有無、尿路感染症の既往などを含めた問診を行い、夜尿の原因となるような基礎疾患の可能性や発達面などの評価を行います。また、尿検査等を行った上で、夜尿のタイプを確認(膀胱に尿を溜められる量が少ない、睡眠中の尿を濃縮する機能が未熟)し、対応について本人やご家族の状況を確認の上、相談して検討していきます。夜尿症の主な治療法には、生活習慣の改善、アラーム療法(https://www.pisscall.jp/what.html)、抗利尿ホルモン(ミニリンメルトOD錠®)などの内服治療があります。

夜尿症(おねしょ外来)