TOPへ

小児アレルギー疾患

当院では、毎週金曜日、アレルギー疾患の治療を専門とする後町法子医師が診療を行っています。
アレルギーに関するご相談は、ぜひ金曜日にご相談ください。

後町法子医師について

小児アレルギー疾患について

小児アレルギー疾患についてアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などが代表的で、患者数は年々増加しています。最近では、乳児期に湿疹などで皮膚のバリア機能が低下したままにしておくと、その後の食物アレルギーの原因となることもわかってきています。したがって、生後早くから適切なスキンケアを継続することが大切で、当院ではその方法について、洗い方や外用剤の選択や使い方、離乳食や注意点など含め、丁寧な説明を心がけています。また、小児のアレルギー専門医による外来も行い、幅広い相談に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。


アトピー性皮膚炎

かゆみのある湿疹が、長期にわたって悪くなったり良くなったりを繰り返す皮膚の慢性疾患です。多くの方がアレルギー体質(アトピー素因)をもち、皮膚表面のバリア機能の低下を背景に、さまざまな病態や掻痒による刺激が複雑に絡み合って皮膚の炎症が長く続きます。食物アレルギーが症状の悪化に関与している場合もあります。生後数か月の乳児期からみられ、頭部・顔、首、体、四肢の関節部などと年齢によって広がりやすい部位が変化しますが、湿疹はどこにでも出現します。皮膚の状態が悪い状態が続くと、皮膚炎の悪化だけでなく、他のアレルギー疾患を発症するリスクも高まることがわかっています。重要な点は初期から積極的なスキンケアを長く継続していくことです。保湿と必要な部位へのステロイド軟膏をベースに、適切な薬剤を適切な方法で塗布し、きれいでつるつるな肌を保つことが重症化予防に欠かせません。したがって、赤ちゃんの場合でも乳児湿疹と軽く考えず、早期から医師とともにこまめに皮膚の状態を確認しながら、スキンケアの方法を確認・調節していきましょう。


食物アレルギー
(即時型症状)

特定の食物を摂取することで、その食物に対して特異的な免疫反応を起こし、体に不利益な症状が誘発される状態を指します。食物アレルギーにはさまざまな種類があります。特に典型的なのは、原因食物を摂取してから主に2時間以内に症状がでる「即時型症状」で、小児の食物アレルギーの多くを占めます。症状にはじんましん、咳・ゼーゼー・呼吸苦、嘔吐・下痢などがあり、特に複数の臓器に全身性のアレルギー症状が急激に生ずるアナフィラキシーでは、迅速な対処がされなければ生命に関わることもあります。したがって、食物アレルギーが疑われる場合は、早期に正しく原因を判断し、対応を具体的に確認しておく必要があります。原因となる食物では、乳幼児では鶏卵、牛乳、小麦、魚卵、木の実、果物類が多く、その後は甲殻類、魚類、大豆、ソバなども多くなっています。当院では、アナフィラキシーに対するエピペンの処方が可能です。また、小児アレルギー専門医による専門的評価も行なっております。是非お気軽にご相談ください。

食物アレルギー


気管支喘息

気管支喘息空気の肺への通り道である気管支が、さまざまな原因で発作的に狭くなることで、咳やぜーぜー(喘鳴)、呼吸苦などの症状(発作)が、長期にわたって繰り返す疾患です。アレルギー体質やハウスダストなどの原因物質、風邪などの感染症、その他さまざまな刺激によって気道に慢性的な炎症が引き起こされ、発症すると考えられています。この炎症が続くと、さまざまな刺激で容易に気管支が狭くなる反応を起こすようになります。症状は程度によって、咳、特に息を吐くときのヒューヒュー・ゼーゼーといった喘鳴、呼気(息を吐く時間)が長くなる、陥没呼吸(息を吸う時に肋骨の間や周辺が凹む)、努力呼吸(肩や上体を使って呼吸する)などを伴い、唇や爪のあたりが紫色になる(チアノーゼ)を伴うこともあります。喘息の治療は、発作が出現した場合にそれを軽減するための治療と、発作が起こらないように普段から予防する治療とがあります。現在は適切に評価をして、発作を起こさないようにしっかりと管理して、できるだけ大人になる前に治しておくことが大切です。

小児喘息


アレルギー性鼻炎

アレルギーの原因となるアレルゲンを鼻粘膜に吸い込むことで、鼻みず、鼻づまり、くしゃみなどの症状が起こる疾患です。スギ花粉などが原因となり季節性に出現するのものと、ハウスダストなどが原因となり通年性に(一年を通じて)出現するものとに分けられ、両方をもつ方もいます。近年、発症の低年齢化が問題となり、症状が強い場合、学習や睡眠など成長・発達のさまざまな面への影響が懸念されますので、鼻の症状と軽視せず、軽いうちにしっかり治療していくことが大切です。基本的な対応は、環境調整などでアレルゲンへの曝露を回避・低減するとともに、抗アレルギー薬の内服や点鼻薬による症状の軽減です。また、スギ花粉とダニによるアレルギー性鼻炎に対して、近年では舌下免疫療法が行えるようになりました。これはスギ花粉やダニに対するアレルギー反応(症状)を長期的に軽減させていく治療で、年単位にわたり継続する必要がありますが、特に小児では早期に使用していくことで疾患の長期化・慢性化予防が期待できます。当院でも対応していますので、是非ご相談ください。

アレルギー性鼻炎


アレルギー性結膜炎

アレルギーの原因となるである花粉やダニなどのアレルゲンが、まぶたや目の結膜に付着することで、目の充血、かゆみ、涙、目やになどの症状が起こる疾患です。アレルギー性鼻炎と同様、季節性と通年性に大別されますが、それ以外に「春季カタル」と呼ばれ、上まぶたの裏が石垣状に腫れる重症のタイプもあります。多くの場合、問診と症状から診断が可能ですが、血液検査を行うこともあります。基本的な対応は、環境調整などでアレルゲンへの曝露を回避・低減するとともに、抗アレルギー薬や、時にステロイド剤などの点眼薬による治療です。花粉が原因の場合、花粉が飛散する季節の少し前から治療を開始すると、症状の軽減が期待できます。重症のタイプを除き、当院でも治療可能ですのでお気軽にご相談ください。

舌下免疫療法
(スギ花粉症、ダニによるアレルギー性鼻炎)

スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎・結膜炎に対する治療法の一つですが、薬が直接症状を和らげるといった通常の治療とは異なります。アレルゲン免疫療法といって、症状の原因となる成分が配合された薬を毎日舌の下に含ませることで、徐々に体にこれらの成分の存在に慣れさせ、異物として排除しようとする免疫反応が弱まっていくことを目指した治療法です。治療開始初期にはむしろ症状が強くなることもありますし、効果発現まで長期間(少なくとも3年以上)治療を継続する必要がありますので注意が必要です。ただし、特にお子さんでは、より発症早期かつ軽症のうちから治療を開始することで、疾患の重症化・慢性化予防が期待されるため、学習や睡眠をはじめ、お子さんの成長・発達への恩恵も大きくなると考えられます。鼻炎や花粉症などの症状がある場合、血液検査や皮膚反応などで診断を行い、スギ花粉やダニに対するアレルギーを確認できれば治療開始を相談できます。治療は舌の下に薬を保持できる(4〜)5歳ごろから検討することが可能です。開始できる時期は、ダニの場合はいつでも可能ですが、スギ花粉の場合はスギ花粉症のシーズンは回避する必要がありますので、6〜11月ごろとなります。お気軽にご相談ください。

舌下免疫療法